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イラストレーターが教えるイラスト上達法

絵を上達するには生まれつきの才能が必要?苦しみを抜ける5つの質問

絵には生まれつきの才能が必要?

「練習しても練習しても、絵が上手くならない……」
「けっきょく絵がうまくなるには生まれつきの才能が必要なのか……」

そんな気持ちを抱えて落ち込んでいませんか?

今回はその苦しみから抜けられるかもしれない、考え方のヒントをお伝えしていきます。

これから5つの質問をしていきます。

自分のやっていることを振り返ったり、頭の中を整理して考えてみてくださいね。

練習方法に問題はない?

たくさん練習しても絵が上手くなれないのは、
もしかしたら練習方法に何か問題があるのかもしれません。

  • 独学で同じような絵を何枚も描いている
  • 資料をただ見てそのまま描き写している
  • 絵を見て絵を描いている

これらのやり方では、なかなか上達ができないことがほとんどです。

絵を早く上達させるには、

  • 構造やパターンを理解すること
  • 質感や立体感を出す表現を学ぶこと
  • 何度も描いて記憶すること

などが大事になってきます。

「構造やパターンを理解すること」については
下記の記事でも書いていますので、あわせてご覧くださいね。

模写しかできない原因とは?オリジナルイラスト・漫画を描けるようになろう

苦手なものを無意識に避けていない?

私の友人に、元編集者がいます。
ある時その友人に、私の後輩が「自分の描いた漫画を見て欲しい」とお願いしてきました。

漫画を見て、友人はこう言いました。
「全ページに渡って、何とか『手』を描かないように誤魔化しているのが伝わってくる」と。

言われて見てみると、確かに構図や小物などでことごとく手が隠されていました。
後輩は絵が上手な子ではあったのですが、「手」を描くのが苦手だったようです。

「描かないで済む」ような構図で無意識に避けていると、絵はなかなか上手くなりません。
そして、この話のように「見ている人に苦手なのが伝わる」場合もあります。

あなたには、無意識に避けている「苦手なパーツ」はありませんか?

逆に「何でも描けないといけない」と思っていない?

ひとつ前で「苦手なものを避けていないか」という話をしましたが、別に「苦手なものでも何でも描けないといけない」わけではありません。
人物イラストを描いていきたいなら、手は描けたほうがいいです。

絵が上手い人は、「そのものに愛情を込めているから」上手い場合もあります。

たとえば、兵器や戦車などを上手に描ける人は、元々ミリタリーが大好きだったりします。

魅力的なバスケット漫画を描ける人は、そもそもバスケットの観戦が好きなので、よく観ているから描きやすいということもあります。

わたしは「ビル群」を描くのが苦手ですが、「日本家屋」や「大自然」なら大好きなのでいくらでも描けます。
無理にビル群を描くのをやめて古い家や自然の絵を描くようにしていたら、そういう絵の依頼が来たこともありました。

あなたの「好きなもの」は何ですか?
本当は苦手なのに、「何でも描けなきゃいけないから……」と思って、無理やり描いたりしていませんか?

大好きなものを沢山描いていると、自然と上手くなることもありますよ。

そもそもどういう絵描きになりたい?

「絵が上手くなりたい」動機は何でしょう?
「何のために絵が上手くなりたくて、どういう絵描きになりたい」のでしょうか?

絵が上手くなれば、絵の仕事が来るかもしれないから?
とびきり上手じゃなくても、絵の仕事が来ている人は沢山います。

もし仕事が欲しいのであれば、画力を上げるよりも

  • 〆切を守れる力(描くスピード)
  • 相手が求めるものを描ける力(それを聞き出せる力)
  • 依頼主が求める場所に使いやすい絵を描ける力

を上げることの方が大事です。

仕事は関係なく、SNSのフォロワーを増やしたいですか?
それとも、たくさんの人に尊敬されるような絵描きになりたいですか?

それって、「絵がとびきり上手くないと叶わない」ことなのでしょうか?

何のために絵が上手くなりたいのか、どういう絵描きになりたいのか、一度じっくり考えてみるのは今後の活動のためにもいいと思いますよ。

自分の才能が何か、ちゃんと把握してる?

私は「どんな人にでも才能はあると考えています。
ただ、才能は求める人間にのみ与えられるものではないんですよね。
漫画「ピンポン」でも言われていましたが。

私は通常頭身の人物イラストでなかなか芽が出なかったのですが、ミニキャラや動物キャラでたくさん仕事をいただきました。

人物イラストを描く才能はないのか……と思っていたころ、それでもあきらめられず人物イラストで漫画を描いていたら、漫画の仕事はいただけました。

そう、わたしには「1枚絵」で人を惹きつける能力はありませんでしたが、「漫画を描く」能力はあったのです。

あなたは自分の才能が何なのか、ちゃんと把握していますか?
もしかしたら、それは「自分の望むもの」とは少しずれているかもしれませんが、誰でもひとつは才能を持っているものです。

それでも、自分の才能に気づいてあげてください。
そしてそれを伸ばせば、きっと「絵の才能がなくて苦しい」という気持ちからは解放されるはずです。

自分の描いているものを一番好きなファンになろう

人は「自分には才能がないのでは」と悩む時、ほぼ必ず“他人の評価を軸にして”自分の作品を見ています。

他人からたくさん評価されたり認められている人が「才能がある」人。
それ以外は「才能のない」人。そんな風に考えていないでしょうか?

あなたは、アマチュアの方が描いているもので、ものすごく感動したことはありませんか?

何百万部も売れていないけれど、ちょっとマニアックだけど、自分はすっっごく好き! という作家さんは一人もいませんか?

沢山の人に評価されること=才能がある、とは限りません。

他人の評価を軸にするのをやめ、まずは自分自身が自分の作品の大ファンになってあげてください。
「自分が大好きなもの」を沢山描いてください。

そうすることで、開ける道もあります。少なくとも私はそうでした。

フリーランス9年目のイラストレーター、巴(ともえ)がお送りしました。
ごきげんよう、さようなら。

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