漫画制作初心者におすすめ!漫画の「効果音」の使い方・コツを紹介

漫画の効果音
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漫画の効果音

漫画を読んでいると、ほぼ必ず絵の横にセリフ以外の文字が入っています。「効果音」ですね。

漫画制作初心者の方は、この「効果音」に悩む方もいるのではないでしょうか。
今回は「効果音」について説明していきます。

効果音の種類

効果音には、大きく分けて「実際に鳴っている擬音語」「実際には鳴っていない擬態語」の2種類があります。

実際に鳴っている擬音語

現実の世界や映画・ドラマなどでわたし達が「音」として認識するものです。
たとえば、

  • 「ザワザワ(街の喧騒)」
  • 「ワンワン(犬の鳴き声)」
  • 「ヒューッ(風が吹く音、もしくは口笛)」
  • 「ザーッ(雨の降る音)」

などを擬音語と言います。

実際には鳴っていない音(擬態語)

一方、擬態語は

  • 「しょんぼり(落ち込んだ様子)」
  • 「ふるふる(首を振っている、もしくは震えている様子)」
  • 「イラッ(腹が立っている様子)」
  • 「キュン(可愛い時など、心臓が高鳴る様子)」

など、実際に音は鳴っていませんが、それがあることでより様子が伝わりやすくなるものを言います。

「口で擬態語を言ってしまう人はオタク」と言われることがありますね。
擬態語は基本的に漫画(場合によってはアニメ)にしか出てこないので、“擬態語を身近に感じている人=漫画をよく見ている人=オタク”ということなのでしょう。

何のために効果音をつけるのか

セリフと違い、効果音をひとつひとつ丁寧に読む人というのは少ないです。
つまり効果音は、文字でありながらほとんど「絵」に近いのです。

たとえば映画などで爆発シーンが起きた時……無音で爆発の映像を再生するより、
派手な爆発音を流しながら再生した方がインパクトがありますよね。
そして、まるで自分のすぐそばで爆発が起きたような臨場感も出ます。

漫画は絵と文字だけで魅せる「音のない世界」です。
音を出して印象的なシーンにしたり臨場感を出すことができないため、文字で「効果音」を書くことで、同じ効果を得ようとしているのです。

効果音の装飾例

先ほどもお伝えしたように、効果音は文字でありながら「絵に近い」存在です。
絵に効果線をつけるとスピード感や動きが出たりするように、効果音も装飾をすることでより漫画の表現力をアップすることができます。

たとえば、みんなが騒いでいる「わいわい」

わいわいの効果音例

そのまま文字を書くとAのようにモブっぽく見えますが、Bのように字を太くしたり丸くしたり、花をつけるだけで「友達同士」感が出ます。

次は、怯えている時の「ゾクッ」

ゾクッの効果音例

字の大きさや形・装飾によって、同じ「ゾクッ」でも色々なシーンで使えますよね。

ただ文字を書いたり小さい文字にするのがいけないという訳ではなく、それが必要なシーンもあります。
大事なのは「そのシーンにあった装飾をすること」ですね。
なんでも派手な装飾をすればいい訳ではないのです。

あえて効果音をつけない表現方法もある

印象的なシーンにしたり臨場感を出すために効果音を使う、とご説明しましたが、“あえて効果音を書かない”ことで逆に印象的にできることもあります。

漫画を描き慣れてからのテクニックなので、最初は無理にやらなくても大丈夫です。
ただ「そういうやり方もあるんだ」というのは知っておいて損はないと思います。

例)今まさにトラックに轢かれようとしているシーン

「ブオオオオオ」という車が走る音や「キキーッ」という急ブレーキの音を書いて臨場感を出すのも勿論いいのですが、それは“第三者視点”です。

私自身、何回か事故に遭ったことがあるのですが、事故が起きる瞬間というものは大体スローモーションのように脳が記憶するんですね。

「頭が真っ白になる」などと言いますが、音が鳴っているはずなのにまったく聞こえていない(記憶していない)こともあります。
実際は一瞬の出来事なのに、すごく長い時間のように感じるのです。

効果音を消し1コマ1コマをゆっくり描くことで、読者に「事故を見ている人」ではなく「自分が今まさに事故に遭っている」かのような錯覚を感じさせることもできます。

独自の効果音を作る漫画家もいる

独特の効果音で有名なのはやはり「ジョジョの奇妙な冒険」でしょうか。

石の階段で転ばされた時の「グッパオン」
岩の上のカエルを殴る時の「メメタァ」
女性の唇を奪う時の「ズキュウウウン」など、
文字を読んだだけでは何が起きているのかさっぱり分からない擬音が特徴です。

作者の荒木飛呂彦先生曰く、ギターの音をイメージしている(?)とか……。
(その説明を聞いても納得いかない効果音がいくつかありますが)

「すごいよ!! マサルさん」「ピューと吹く! ジャガー」のうすた京介先生も独自の効果音を作っています。

たとえばキャラクターの眼光が鋭くなるシーンに「キュピーン」
情けなく走り去るシーンに「だばだば」
ショックを受けた時の「ハジャーン」
殴った時の「ズリーッ」……
言わんとしていることはわかるのですが、違和感を覚えてものすごく印象に残ります。

効果音はただ漫画の添え物として使うだけでなく、オリジナリティを出すことで「自分だけの作品」と印象付けることも可能なんですね。

効果音は直感で書けばOK

効果音に限ったことではありませんが、漫画の世界に「正解」はありません。
自分が「この音だ」「この文字だ」と思ったらそれを書けばいいのです。
たくさん書いているうちに、深く考えなくても効果音をすっと書けるようになります。

それでもやっぱりどんな効果音を書けばいいか迷う……という場合は、プロの漫画家さんがどんな風に効果音を書いているのかを観察してみましょう。

そのまま丸写しするのではなく、「この人はこういう表現をしているのか」と知識を得た上で、
「自分だったらどう表現するのか?」を考えてみてください。

フリーランス9年目の漫画も描けるイラストレーター、
巴(ともえ)がお送りしました。ごきげんよう、さようなら。

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イラスト・マンガ研究部
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